ホットモバイリーは事業のスタートがオリジナルラバーストラップの製作でした。これまで約7年近くラバー製品の設計や販売をさせて頂いておりまして、色移りや経年変化に対する大きなクレームはなかったです。しかしながら、この問題は深堀すると色々と考えるべき点も出てきますので、色移りと経年変化に関してそれぞれもう少し掘り下げて説明します。

①色移りについて

ラバーストラップの色が他の製品に移るという事は、ラバーストラップと別の製品が密着している状態が継続しているという事です。従って、ラバーストラップの色移りの問題もありますが、対象となる別の製品の色移りの問題も考えなくてはいけません。

例えば大切なラバーストラップを長期間OPPに入れて、できるだけ無傷で保存したいとうい人は多いかと思います。

そうすると、ラバーストラップとOPP袋が長期間密着する事になります。この状態で保存しても、ラバーストラップの色がOPPに移る事はないのですが、ラバーストラップ中に存在する可塑剤という油の様な成分が、ストラップ表面に浮き出してきて（ブリードと呼びます）ラバーストラップの表面やOPP袋が油っぽくなってしまう事が多いです。このブリード現象事態、1ヵ月程度の比較的短期間でも発生しますので、例えば数年放置しておくとかなり油っぽくなってしまうと思います。しかし、色移りは無いかと思います。

ただこの可塑剤は密着する相手の素材に結構影響を与えます。例えば、雑誌やカタログ等のチラシと密着していた場合、ラバーストラップから発生した可塑剤がチラシ中のインクを溶かしそれがラバーストラップに移ってしまう問題はあるかと思います。ですので、ラバーストラップを綺麗に長期間保管したい場合、できるだけ他の製品と密着しないように袋の中で保管するか、ケースの中で吊るした状態で保管する事が大切です。

また、この油のような可塑剤ですが、実は簡単に落とす事ができます。薬局で販売されている無水エタノールで軽く拭いて下さい。綺麗に油分は落とせます。無水エタノールは手指消毒用のエタノールとは違いますので、ご注意下さい。

②経年劣化について

この問題に関しては、原料となるPVCや可塑剤の品質改善で10年程度ではラバーストラップ本体が劣化してボロボロ崩れたりする事はなくなってきています。ボールチェーンやナスカン等のアタッチメントは使用していると外れてしまったりする問題はあるかと思います。

別の問題として、劣化というよりは変形の問題があるかと思います。ラバーストラップは生産時に高温の液体ゴムを冷却して固化させていますので、その際に製品内部に残留する残留応力の影響で、何もしないで放置しておくだけでも大きく変形してしまったりします。また長期間箱の中で潰された様な状態で保管されると、曲がってしまったり、歪んでしまったりします。この様にして一度曲がってしまった製品は、基本的には元に戻す事はできません。

ホットモバイリーでは研究開発を重ね、変形の少ない製品の生産方法をとっております。また、今後変形0を目指し更に開発を進めております。